混乱状態シリーズ|学級経営・生徒指導の立て直し
【混乱状態】何から考えればいいかわからないときの整理の仕方
— 学級経営・生徒指導で立ち止まった先生へ —
これは「うまくやる方法」ではなく、考えられる状態に戻る方法の記事です。
いま答えが出なくても大丈夫。まず整理から始めましょう。
このページの目的:
読み終えたときに「次に考える順番」が見えること。
正解探しはあとでOKです。今は、頭の中の散らかりを片づけます。
「正直、もう何から考えればいいのかわからない。」
学級経営や生徒指導に悩んでいる先生から、いちばんよく聞く言葉です。
問題が一つなら、まだ考えられる。
でも実際は、こうしたことが同時進行で起きています。
- クラス全体の雰囲気が不安定
- 特定の生徒への対応に迷っている
- 保護者対応も頭の片隅にある
- 管理職や周囲の目も気になる
- 授業準備・成績・行事…日常業務も止まらない
その状態で答えが出ないのは当たり前です。
この記事では、「整理できる頭」に戻る手順を、順番つきでお渡しします。
この記事でできるようになること
- 「考えてるのに進まない」状態の正体がわかる
- 混乱をほどく3つの仕分けができる
- 優先順位のつけ方(いま動く/動かない)が見える
- 明日やることが小さく具体になる
1.混乱しているとき、人は「考えているつもり」になっている
混乱状態にあるとき、多くの先生はこう言います。
「ずっと考えているんです」「家でも頭から離れなくて」。
でも、ここに落とし穴があります。
考えているようで、実は整理できていない。
思考が進んでいるのではなく、同じ場所をぐるぐる回っている状態です。
たとえば頭の中で、こんなふうに行ったり来たりしていませんか。
- あの生徒はどうするべきか
- いや、あの場面では違う声かけだったかも
- そもそも自分の関わり方が悪かったのでは
- でも、クラス全体の問題かもしれない
- 保護者の反応が怖い、管理職に言われたら…
これは「思考」ではなく、反芻(ぐるぐる回り)に近い状態です。
反芻のまま解決策を探しに行くと、焦りだけが増えます。だから、順番を変えます。
2.整理できていない状態のサイン
いま自分が「整理できていない状態」にいるかどうかは、次のサインで分かります。
- 何を聞かれても説明が長くなる
- 話している途中で「何を言っていたか」分からなくなる
- 問題点を一言で言えない
- 全部大事に見えて、優先順位がつかない
- 「やること」ではなく「不安」ばかり増える
一つでも当てはまるなら、あなたは今、考える前の段階にいます。
これは能力の問題ではありません。状況が複雑すぎるだけです。
3.整理の第一歩は「解決しようとしない」こと
混乱しているときにやりがちなのが、いきなり正解を探すことです。
でも、頭の中が散らかっている状態で「正解探し」をすると、どんどん固まります。
今日の合言葉はこれです。
「今日は答えを出さなくていい。今は整理だけでいい」
これは逃げではありません。
整理できないまま動くと、行動の精度が下がり、余計に苦しくなるからです。
4.混乱をほどくための「3つの仕分け」:事実・感情・思い込み
ここからが本題です。混乱しているときは、頭の中にあるものを次の3つに分けます。
これだけで、脳の負荷が目に見えて下がります。
① 事実(実際に起きていること)
まずは評価を入れず、事実だけを書きます。ポイントは「いつ・誰が・何を」です。
例:
×「態度が悪い」
○「授業中に3回立ち歩いた」「指示の後に5分間ノートを開かなかった」
事実を短い文で並べるだけでOK。ここでは結論を出しません。
② 感情(自分がどう感じているか)
次に感情です。きれいな言葉にしなくて大丈夫。むしろ本音ほど整理が進みます。
例:
「怖い」「焦る」「腹が立つ」「自信がなくなっている」
「また同じことが起きたらどうしよう」
感情を押し込めたままだと、頭の中で暴れ続けます。外に出した時点で、少し静まります。
③ 思い込み(無意識に背負っているもの)
最後が一番大事です。「自分を苦しめている前提」を見つけます。
- 担任なんだから、何とかしなければ
- 自分が悪いのではないか
- もっとできるはずなのに
- 迷うのは弱いからだ
これらは「事実」でも「感情」でもありません。思い込みです。
思い込みを見つけるだけで、責める気持ちは弱まります。
ここで一度、1分だけメモしてください(超重要)
紙でもスマホのメモでもOK。「事実3つ・感情2つ・思い込み1つ」だけ書くと、頭が一段軽くなります。
事実:_________________
感情:_________________
思い込み:_________________
5.整理が進むと、何が変わるのか(視界が戻る)
ここまで仕分けができると、起きる変化はとてもシンプルです。
「全部が問題」に見えていたものが、分解されます。
- すぐに動く必要がないものが見えてくる
- 今は触らなくていい部分が分かる
- やることが「行動」になり、恐怖が減る
多くの先生がこの段階でこう言います。
「全部が問題だと思っていました。でも、今やることは意外と少ないですね」
これが視界が戻った状態です。ここで初めて、次の一手が“現実的なサイズ”になります。
6.次にやるのは「優先順位」ではなく「緊急度」の仕分け
混乱中は優先順位がつけられません。なぜなら、全部が重要に見えるからです。
だから先に分けるのは「重要」ではなく緊急度です。
緊急度の3分類
- 今日〜明日に手を打たないと悪化する
- 今週中に方向性を決めればよい
- 今は保留して情報を集める
いきなり1位〜10位を決めなくてOK。3箱に分けるだけで脳が楽になります。
ここが大事:
混乱中に「全部を今日解決しよう」とすると、動けなくなります。
今日やるのは「箱分け」だけで十分です。
7.「整理できた状態」で初めて、次の一手が見える(行動は小さく)
整理ができたあと、初めて「どうするか」を考えます。順番はこれです。
整理 → 判断 → 行動
明日やることを「小さく」する3つの型
- 観察:今日は「事実」を3つ集める(メモ)
- 声かけ:一言だけ変える(長く話さない)
- 環境:座席・動線・見通しを1つだけ調整
混乱中の行動は「大きく変える」ほど失敗しやすいです。
小さく試して、反応を見て、次を決める。これが一番安全です。
8.整理は「一人でやらなくてもいい」(抱えないという技術)
整理は一人でもできます。けれど、一人でやらなければならないものではありません。
自分の頭の中だけで整理しようとすると、同じところで止まりやすいからです。
「同じ場面に戻ってしまう」「自分を責める方向に流れる」
もしこれが起きているなら、話しながら整理するほうが早いことがあります。
答えをもらうためではなく、整理するために話す。
それだけで、状況の見え方は大きく変わります。
次に読むと整理が進みます
もし今、「一度整理して話したい」と感じているなら
無理に答えを出す必要はありません。
いまの状況を言葉にして整理するところから、一緒に始められます。
▶ 個別相談の詳細はこちら
※押し売りはしません/話すだけでもOK